2013年12月9日月曜日

審判:VARUS

以前から訳したいなあと思っていて、衝動的にではあるのですが、ようやく少し手をつけることができました。チャンピオンのJudgement(League加入時の審判)です。
Varusが実装されたのは私がLoLを初めて間もなくだったので、当時はかっこいいなあと思いつつもひみつ日記もなかったので、なかなかこのチャンピオンに焦点を当てる機会がありませんでした。ですが韓国発の二次創作翻訳の旗手であるTEEモさんのブログの今日の更新で、Varusカッコイイー!に火がつきましたので、衝動的にぼーんとやってみました。率直に言って意訳がとても多いのですが、雰囲気重視ということでお許しください。
御託はいいからとっとと読ませろ!という方は以下から続きをどうぞ!


「思い知れ、Noxusの狗どもめ」
「お前たちの耳に入る風切音は」
「風ではない」



志願者:Varus
日付:CLE歴22年3月7日


観察


Institute Of Warの中でうっかり使ってしまわないように、彼は弓を身体に同化させた。弓はずるずると彼の掌から身体の中へと吸い込まれていった。室内は塵ひとつなく磨き上げられており、装飾の盾と剣が彼の姿を映しだすのが見えた。「彼」の姿は、彼自身の記憶とは全く違っていた。腕は形の定まらない液体から成る黒い籠手の中へと消え、爪先からへその近くまでは、気味の悪い何かによって層状の瘡蓋(かさぶた)のように覆われていた。

それは純粋な漆黒に見えて、よく見ると多彩な色の揺らめきを有しており、その揺らめきは油のように彼の表面を彩っていた。未だ血の通う肉体を包むそれが、昨日より量を増したように、Varusは思った。それが自分自身なのだと彼は受け入れ、概ねその外見に満足した──鏡が映し出した彼の姿が、ただの怪物であろうとも。

私という存在は壊れたわけではない、そう彼は自分に言い聞かせた。壊れたわけではない。ただ違う形に変化しただけだ。


反映


教えることとは、学ぶことだ。

弓の構え方、弦の引き方、そして呼吸の仕方。それらをTheshanに教えることで、Varusもまた、もう一度理解を深めることとなった。息子は、自分からそれらを学びたがった。父はなんといっても、選ばれた神殿の守護者なのだ。息子もまた、常に父を目指していた。

Varusはそこにいなかった。ただぽつりと呟いた。これは現実ではないと。彼の目はそのことを見通していた。

サモナーにとってこの催しは、League参加志望者を使って楽しむ、一種の娯楽だった。だがここには彼の息子が幸いにも、生きて存在していた。彼は息子の頭を撫で、その熱を掌に感じた。Varusには、これから何が起こるのかがわかっていた。だから、許される限り、慈しんだ。2人が視線を上げると丘が見え、もっと視線を上げると神殿が視界に入った。

神殿は村よりも遥か昔から存在してきた。遠い過去の時代からの言い伝えによると、神殿の建設によって実益がもたらされたわけではなかった。

「Pallasの穴」と息子でないものは言った。「あそこにはPallasの穴があるんだよね」

「当時は知らなかったが、そうだ」Varusは答えた。

「あそこを守るのはたった独りなの?」

「そう決められている」

その役割を頂戴した時、彼は自らの新しい役割に驚愕した。彼が子供の頃からずっと唱えてきた古い祈祷の句は、どうやらいくつか重要な節が抜けているようだった。長老たちがそれを封じてきたのだ。
賢き梟の刺青を顔、胸、腕に刻むと、彼の認識は変わった。これも驚くべきことだった。そして、穴があった。周りを歩いてみると差し渡しは5フィートほどで、この何の変哲もない丸い水たまりが恐るべきものの源とは思えなかった。

彼が最も驚いたのは、おそらく、その時──初めての夜警の時だ──穴が語り始めたのだ。

言葉ではなく、そう──言葉であれば簡単に撥ね除けることができただろう。それが語ったのは、瞬間的な映像や感覚といったものが大半だった。それは人間を感知すると、触れたりすることなく、そういったものを頭の中に送り込むことができた。それは人間たちが丘の麓で無意味な肉体の内に苦しみながら生きていることを知っていた。Varusはその混乱と、傷のようなものを感じ取ることができた。神殿が人里から隔離されているのは、そのためだった。それは彼に、彼の望むものを見せようとした。それは彼に何かを作りたがった。それは何かを喜ばせたいという衝動を持っていた。

これは彼が封じ込めると誓った「執念深き獣」ではなかった。

ある時、朝の封印の儀式を行うためにVarusが聖域へ入ると、彼は村の他の者たちにぐるりと囲まれていることに気づいた。彼らは収穫物のように萎れているのに若者のような活力で立っており、肌からはただの袋のように生気が失われていた。彼にはそれが望むところを果たしたのであろうことが感じられた。

「どうだ?」それの申し出には、頷くだろうという確信があった。

「結構だ」Varusは答えた。

次にそれが口を開いたのは、彼が彼であることをやめた時だった。彼は踝まである血の海を歩むのではなく、泣き叫び壊れ果てるまで血の海に細波を立て続けていた。彼は声を聞いた。そして、声、いや声として認識される何かは言った、期待に満ちた声で「どうだ?」と。

ローズマリーとオークの香りが鼻をつき、その映像を遮った。彼は最後の手段にすがりついた。掌の中に真鍮細工が現れ、絡みついた。その先端からは銅の鎖が伸び、彼の手に焼けるような痛みをもたらした。

どうだ?

それはすさまじい勢いで彼の精神を揺さぶったが、梟がその力を発揮した。彼が引き返せるよう、梟は出口への迷路じみた通路に彼を引き戻したのだ。燃え続ける村が見える、その場所に。彼は再び、全てを見なければならなかった。

彼は走った。なぜこうなったのかを全く知らなかったにもかかわらず。もしこの道を選んでいたら、こちら側に滑り落ちてくるのではなく、違う結果になっていたのではないか……彼の頭の一部にはそんな考えもあった。おそらく彼は、死んだ妻も、死んだ息子も、息子の傍らで壊れた弓も、見ることはなかっただろう。その弓を拾い上げ、神殿に戻ることもなかっただろう。

彼は間違っていたのだ。

その後に広がる無数の死体の光景を、無数の死者を彼は突きつけられた。それは彼の足と心を穿つ楔だった。自然と彼の膝は地面へと崩れ落ちた。

「どうだ?」またしてもそれが囁く。

「頼む」Varusは囁き返した。「くそったれ、頼む」

その瞬間、それは地の中の堰を破った。穏やかだった水面が盛り上がり溢れ出し、それに触れたもの全てに熱く溶けた黒いガラスが傷跡を残した。空へと溢れ出したそれは、霧となって崩れ落ちたVarusの周りを取り巻いた。それは彼の手をこじ開け、中のものを取り込み、弓を喰らった。そして両腕を両脛を喰らい……崇敬、そう、呼ぼうとするのであれば崇敬、梟への崇敬を残して止まった。その侵蝕は、梟の印を越えることはなかったのだ。狂気から解き放たれた瞬間、あれからどれほどの時間が経ったのかとVarusは訝しんだ。

反映が揺らめき、サモナーはその魔法の行使に力を使い果たしていた。その幻影は彼らを縛るものと、獣じみた終わらない悪夢の勢いを強引に剥ぎ取った。Varusの悲惨な過去数年間から集められた全く異なる観念により、その部屋は異常なほどの反映で凝り固められていたのだ。

彼の両足の爪先のみが地面に触れていた。その力から逃れることなどできないと、Varusはわかっていた。彼がそれに追いついた時、先頭を走る荷馬車は馬を励ますだけの知恵がある馬車だった。知恵のなかった、もしくは状況に翻弄された者たちは、恐るべき速度で走ることで、死に始めていた。

Varusが速度を緩めると、弓としての目的を持った器官が、その形を成していなくとも、彼の手首に初めてその機能を宿した。それを使うための訓練など、彼には不要だった。矢に貫かれた人間は、すぐ水袋のように爆散した。このことで犠牲者の仲間は、かつてない速度で走らなければならなくなった。この速度の中でも、彼らはまだ生きてはいた。まだ不十分だ。

放たれたものは矢ではなかったが、矢のようなものではあった。それはNoxusの徽章めがけて飛び、息を飲んだ兵士から兵士へと飛び移り、絶句した6人の兵士を絡め捕り転倒させ、爆発した。命をひとつ刈り取るたびにVarusの矢は速さを増し、標的の存在が感じ取れなくなるまでそれは続いた。犠牲者は死ぬまでただ逃げた。シンプルな恐怖がそこにはあった。

時は飛ぶように過ぎた。さらなる狩りが行われ、さらなる血が流れた。慈悲は約束されていたはずだったが、与えられなかった。湿った葉と奇妙に甘いにおいとともに闇が渦巻き、傷ついた男女の身体がそこかしこに散らばる様が、彼らが全滅したという事実を示していた。Varusは公報を強奪するために両断した馬車に足を掛け、鋭い蔦のようなものを放ち貫いた。その公報にはあの命令を下したNoxusの狗どもの名がさらに数名、記されていた……

クソッタレな命令。奪われたものを、彼は何千倍にもして贖わせるつもりなのだ。

サモナーは前に進み出た。持っていた審判の仮面の感覚を切り、その態度で幻像の名残を消散させる。「あなたの目的は明確です。私たちのチャンピオンの中にNoxusのエージェントがいることを、あなたは認識している。これが、この全てが」彼女は手を広げた。「復讐の始まりなのですね」

「もちろん理解しているでしょうが、あなたの復讐はこのLeagueの目的ではありませんよ?」目を細めて彼女は言い放った。

「今となっては、貴方こそ理解していることと思うが」とVarus、いや彼らの前に立っているVarusという形をした、黒い何かで満たされた存在は口を開いた。

「それこそが、私が生きている唯一の目的だ」


原文
Champion Sneak Peek - Varus, the Arrow of Retribution - League of Legends Community

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