先日、League of Legendsにおける視界のシステムの全てについて、大規模な見直しが行われた。Stealth Wardの設置数は常に一人3本までに制限され、Vision Wardは一人1本で破壊されるまで持続するようになり、Oracle's Elixirはゲームより削除された。これらの新システムのバランスを取るために、視界を得るための新しい3つのアイテムもまた、ゲームに導入された。
The Trinkets
Warding Totem
60秒間持続するStealth Wardを1本設置する。クールダウンは120秒。チャンピオンがLv9になると、自動的にStealth Wardの効果時間が120秒にアップグレードされる(クールダウンは120秒のまま)。Lv9時にアップグレードされた後、475ゴールドを支払って最終アップグレードを行うことができる。最終アップグレード先は、1本の永続するVision Wardを180秒のクールダウンごとに設置する(Greater Vision Totem)か、1本の180秒間持続する通常のWardを120秒のクールダウンごとに設置する(Greater Stealth Totem)かを選ぶことができる。
Sweeping Lens
近くにある不可視の罠とWardを4秒間見えるようにする。クールダウンは120秒。チャンピオンがLv9になると、自動的に効果時間が6秒間、クールダウンが60秒にアップグレードされる。Lv9時にアップグレードされた後、475ゴールドを支払ってOracle's Lensに最終アップグレードを行うことができる。これは使用すると、特定の範囲に効果があるのではなく、10秒間ステルス看破能力が得られるようになる(Oracle's Elixirの持続時間限定版)。
Scrying Orb
射程1500の範囲内の特定の範囲に1秒間の視界を得る。クールダウンは150秒。この視界に捉えられた敵は、5秒間見えるようになる。チャンピオンがLv9になると、自動的に射程2500にアップグレードされる。Lv9時にアップグレードされた後、475ゴールドを支払ってForesight Orbに最終アップグレードを行うことができる。Foresight Orbにすると、射程が3000に、クールダウンが90秒になる。
Trinketの使い方
この新しいアイテム群の中で最も人気があるのはWarding Totemであり、それはこのTrinketを選べばLv1時に無料でワードを1本入手できるためである。Warding Totemを持っていればワードを買わなくてもいい……と少しでも考えた君、それはいけない。Warding Totemのワードの持続時間はクールダウンよりも短く、自分の身をgankから守るためにWarding Totemのワードだけに頼ろうとすれば、gankされる可能性のある場所での視界において敵との間に大きな隔たりが生じる。その結果は、おそらく死だ。
Trinketを最大限に生かすコツとは、使うタイミングだ。ジャングラーはbotレーンにleashをしてもらい、botレーン付近から行動を開始するのがより一般的なので、topレーナーからすれば、もし敵ジャングラーがgankに来るとしたら、それは3:00~3:20の間になると予測できる。つまり、2:50頃にワードを置けば、敵ジャングラーがtopへのgank、他レーンへのgank、ファーム続行のどれを選んだのかを知ることができる。Midレーンについても同じことが言え、2:50に川のtop側にワードを置けば、同様の情報を得ることが可能だ。
しかし、敵ジャングラーの姿がどちらにも見えなかった場合には、3:40頃にbotレーンに現れるであろうことが簡単に予測できる。ワードを置くべき場所はレーンによって変わるが、敵にレーンをプッシュされていない限り、一般的には川にワードを置くのが標準的かつ安全な方法である。ほぼ安全だと確信した後も、不安ならばトリブッシュ(訳注:tri-bush、topの青側とbotの紫側にある三角形の茂み)や川の茂みにワードを1本置いておくのがよいだろう。一方、botレーンにおけるTrinketは、レーンの支配権を少しでも取るために、レーンの茂みに置くことができるし、そうすべきでもある。
ジャングラーは、攻撃的・防御的両方の意味でTrinketを駆使するべきである。一般的に試合の序盤というのは、自分のワードをベットして、敵ジャングラーの位置をあぶり出せるかという賭けを行うのには、いいタイミングである。敵がインベードしてくると思うのであれば、2つ目のバフを取りに行く前に防御的なワードを置いておけはいいし、さもなければ自分が向かう反対側のmidレーンを守るワードを置くのもいいし、良いタイミングだと思った時に、どこかのレーンの味方のワードを自分のTrinketで置き直すのもいい。攻撃的なジャングラーをプレイしているのであれば、序盤のインベードにTrinketのワードを使うこともできるが、後でSweeping Lensに買い替え、Trinketのワードを購入したワードで代用することもできる。ワードを買うことはできるが、Oracle's Elixirはもう入手できない。敵に視界を取らせないことが及ぼす影響は非常に大きい。
Sweeping Lensの所持が最も一般的なのはジャングラーおよびサポートだが、こういったロールでも最初から持っていることは珍しい。Trinketの長所のひとつは、ショップにいる時ならいつでも、今所持しているものを売って別のものを買うことができる点だ。そのため、サポートをプレイするのであれはまずWarding Totemを選んでスタートし、Sightstoneを購入したタイミングでTrinketを視界をコントロールするためのSweeping Lensに買い換えることができる。視界のコントロールはbotレーンにおいては特に重要であり、システム変更による変化が少なかった点でもある。
標準的な試合では、全員がWarding Totemを持ってスタートするべきだろう。サポートとジャングラーは、Sweeping Lensの方が便利だと感じたら、なるべく早くTrinketを買い換えるべきである。このタイミングは、サポートにとってはSightstoneを購入した時であるし、ジャングルLee Sinでも同様である。だが、他のほとんどのジャングラーにとっては、Sweeping Lensに買い換えたいタイミングは大まかに言って試合開始後6~10分頃である。これは買い物のためにリコールする1回目もしくは2回目のタイミングによる(ジャングラーは4/6/9分時点でリコールすることが多く、リコールのタイミングはファームの進行度やgank、チャンピオンによって変動する)。
ほとんどの試合では、Trinketのアップグレードは実際には不要だ。アイテム欄がいっぱいになりはじめた時、Warding TotemをGreater Vision Totem(Vision Wardを置くことができる)にアップグレードするというのは、とてもいいアイディアだ。ステルス能力を持つチャンピオン(Akali、Twitch、Rengarなど)を相手に戦っている時は、ジャングラーとサポートの両者がなるべく早い段階でSweeping Lensに買い換えるというのは良いアイディアであるだけにとどまらず、敵チームにおける脅威を大きく減じるために、最優先で推奨される行動でもある。
一般的に、試合時間が25~30分に到達した時、味方のジャングラーとサポートがOracle's Lens(Lens系統の最終アップグレード先)を持っているというのは良い状態であり、特に勝っている時に優位を維持することに貢献してくれる。敵に一方的な戦闘を仕掛けたい場所であるBaron周辺の支配権を取るために、最大限の視界のコントロールを得るための道具、それがOracle's Lensである。視界においてTopレーナーはジョーカーの役割を果たすことが多く、LeosとTotemの両方を効果的に活用できる。そのため、必要だと感じるのであればどちらを購入してもよい。Lensは視界のコントロールを得るためのもので、Totemは視界をより多く得るためのものだというのが、その時の判断基準になる。
Scrying Orbは最も人気のないTrinketだが、仕方のないことだろう。Scrying Orbのクールダウンは150秒と、ほとんどの状況では単に長過ぎるのだ。一部のチーム構成や戦術には、Scrying Orbを上手く使うことができるものもあるが、ソロキューには望むべくもない、組織的かつ熟達したプレイが必要になってしまう。余程の自信がない限り、Scrying Orbばかりを購入するのは、やめた方がいいと思う。
Scrying Orbが実用に耐える状況はいくつか考えられるが、まず第一にOrbを買おうと思うのであれば、475ゴールドを支払って最終アップグレードをするべきだ。60秒のクールダウン減少は、何よりも価値のあるものなのだ。Orbの最良の使い道は、集団戦にある。Lee Sin、Rengar、Ezrealといった機動力の高いチャンピオンは茂みを利用することで敵を引き撃ちし、集団戦を勝利に導くことができる。しかし、戦闘の最初にOrbを使い敵全員の位置を5秒間明らかにしてしまうことで、そういったチャンピオンの戦術は完全にカウンターできてしまう。この5秒は、優先度の高い敵に集中攻撃し、彼らが集団戦における脅威となる前に抹殺するための、十分な時間である。
視界の戦術
さて、ここからは基本的なTrinketの戦術をいくつか見ていこう。チーム全員がWarding Totemでスタートし、6分時点でジャングラーがリコール、Sweeping Lensに買い換える。サポートはLv8時点でSightstoneを購入するが、Lensには買い換えない。Lv11時には475ゴールドでFarsight Orbを購入し、集団戦に備えることができるからだ。ジャングラーも同様にLensをOracle's Lensにアップグレードし、topレーナーは下位のLensに買い換える。
Lensを持つtopレーナーがいることで、Baron周辺のワードを常に壊し続けることができる。アップグレード済みのLensを持つジャングラーは、Baron周辺の別の茂みを掃除することができ、視界のコントロールは完璧になる。同じくサポートが通常のVision Wardを持つべきなのは、味方チームがBaronを獲得したいからである。ADCとmidは、TrinketでBaronへの両サイドの道にワードを置き続けよう。このエリアで戦闘を始めるべき時になったら(多くの視界を確保することによる、こちらが有利で意図的な戦闘が望ましい)、サポートがOrbを起動、敵が茂みにいようと問答無用で敵チームの位置を暴く。視界が足りないであろう場所には追加のワードを置くが、Orbにより確保した視界は、味方チームにとって綺麗に片をつけてしまうには十分以上のものだろう。
だが、いつもOrbを買うのはとても勧められない。ソロキューで適切な使い方をするには、要求される連携の練度が高過ぎるのだ。むしろ、アップグレード済Lensを持つのが2人、アップグレード済Totemが2人(片方は通常ワードの持続時間を伸ばす方向で、もう片方はVision Wardを置く方向である)、そしてtopレーナーが目的に応じて通常ワードかLensを持つ、という構成が理想的だろう。
Vision Wardのシステムは旧来より大きく変更され、価格は100ゴールドとなり一度設置すれば永続するようになった。しかし、ステルスではなく通常の視界で見えるようになり、壊すためには5回の攻撃が必要である。そもそも、定石の場所を継続的にVision Wardで照らし続けることは、理想的な手ではなくなってしまった。Vision Wardを最大限に活用するためには、防衛的な使い方が主になるが、状況に応じて様々な、良い視界ではあるが定石ではない場所に、Vision Wardを置くことが求められる。敵が通らない道筋に置くことを心がければ、持続時間を最大限に生かすことができるだろう。以下に、Vision Wardの設置場所の好例をいくつか示す。
以下に挙げる「小さな」茂みは、川にある他の茂みに比べ、通らないプレイヤーが多い茂みである。これらの茂みにVision Wardを置けば、その平均寿命は簡単に3~10分に到達し、概ね理想的な持続時間となる。
川のtop側
川のbottom側
これまでに私が見つけた最高のVision Ward設置場所は、ダイブとインベードから身を守ってくれる。自分がADCをプレイしていて、最初のリコール時に100ゴールドの余裕があるのなら、私はVision Wardを1本購入して自分の赤/青バフに置くようにしている。味方のサポートやジャングラーのVision Wardは、botレーンの視界のコントロールや、ドラゴンやバフのコントロールといった、他の目的に使ってほしいからだ。Topやmidをプレイしている場合は、1回目か2回目のリコールでいつもVision Wardを買い、top側のバフ(赤青は問わない)に置くようにしている。これら2つのVision Wardは、敵がその視界に踏み込まない限りずっと、味方側のバフを守ってくれる。さらに、仕事を終えた敵の姿を見つけ出すことも、できるのだ。
自分のバフを守るための、防衛的なワードの基本位置:
ご覧のように、赤バフを守るためのワードは、実際にバフを収める視界を得られる場所には置かない。この場所はVision Wardの寿命をできる限り長くする場所であり、一方では自ジャングル内に入り込んだ敵を見ることができる十分な視界の条件をも満たしている。赤バフを直接視認できるVision Wardの位置はすぐ脇の茂みの中だが、インベードされた時に少し調べるだけで気づかれてしまうことを肝に命じるべきだ。
さらに、ドラゴンの真下に直接Vision Wardを置くのもいい。ここは常に視界の陥穽であり、Vision Wardを破壊するのにも厄介な場所だ。こんなふうに。
どのようなカメラ位置を工夫しようとも、どれだけの時間を費やそうとも、このワードをクリックすることはできない。このワードを壊すたった一つの方法は、まずドラゴンに攻撃し、ドラゴンのターゲットとなることでその場所からドラゴンをどかすことである。これにはいくらかの被ダメージを受けることもだが、攻撃者はASスローを受けてしまうということでもある。ASスローにより多くの時間を取られてしまうため、このワードに手を出そうとした敵に対応・妨害する時間が生まれる。
ワードとTrinketを最大限に生かすためには、自分自身の経験と独創性が必要とされる。プレイし、練習し、新たなことに挑戦しよう。それが自分の技術を磨く方法だ(こういった技術でさえも)。様々なチーム構成、様々な敵チーム構成、ひとりひとり違うプレイヤーたち、多種多様な戦術など。こういった要素は、ひとつひとつの試合の様相をがらりと変えてしまう。新たな試みを試し、自分で理解しようとするのであれば、それは自分自身を成長させるだけでなく、コミュニティ全体をも成長させることになるだろう。私はここで種を蒔いたにすぎない! 幸運を祈る、楽しんでほしい(Good luck and have fun)。
著者について
Umashi 私はFYA Umashi、Solomid.NETでガイドのライターを始め、Solomid.NETがガイドの王様になる前からその後まで、Head Guide Moderatorをやっていた。私はLeague of Legendsにおいて、プレイヤーは自分が何をしているかをわかっていると信じている。私の目標はそういったプレイヤーの助けとなることだ! https://twitter.com/iUmashi http://www.twitch.tv/fyaumashi
原文
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