Frostguard Cityを逃げ出したQuinnたちが氷の夜闇で見たものとは。
(追記)短いながらも6が追加されていたので追記しました。
その1→その2→その3→その4→その5+6(この記事)
東Freljord
私たちは夜明けを待たずして街から逃げ出した。Frostguardが守ろうとしている秘密を、Valと私が見てしまったことを悟られるリスクは冒せない。Valが彼らを撹乱している間に、私は正門を開けてそっと立ち去った。Freljordに戻って旅を続けるのは危険だった。Demaciaへの道は遠く、この北の地にあっては道標となるものは何もなかった。特に夜の闇の中では、氷河はどれも同じに見えた。
街を発って数時間後、何かが私たちを追ってきているのに私は気づいた。Valが上空から偵察してくれた。降り続ける雪を通してさえ、何かに追われているのが私たちには見えた。私たちは歩を早めたが、それでも追跡者が追いつきつつあることを見て取ったValが警告の鳴き声を上げる。私を取り巻く夜闇はさらに暗く、雪はさらに冷たくなっていった。氷河を横切った影は、まるでそれ以外に生きているものがないかのようだった。
逃げられなかった。
死ぬかもしれない。私は道から隠れて、この手記をValorに託した──もし私がFreljordで死んでも、報告がJarvanに届くように。私が追跡者の横にいる間に、彼は飛び立った。
闇から浮かび上がってきたのは、浮かんだ氷の向こうに見える、背の高い人物だった。それはなんとなく人間のようにも見えたが、人間ではないのは明らかだった。彼女は死の気配を纏いつつ、静かに私の前に滑り出て来た。彼女の足元には、奇妙な黒い氷の欠片が地面から生じていた。彼女の発する冷気に、私の心臓は今にも止まりそうだった。こんな恐怖を味わったことは、ない。
私が隠れている場所の近くに来た時、彼女は歩を緩めて訝しんでいるようだった。彼女は私を見ているのか? 確信は持てなかった。結局、彼女は身を翻して夜闇へと姿を消した。彼女の黒い氷は消えていた。助かったのか?
Valは無事だった。彼はずっと上空を旋回していた。ValはDemaciaへの報告を持って帰らず、あれと戦っているかもしれないと少し考えてしまった(強情な鳥なのだ)。
これを書いている今でも私の手は震える。寒いからではない。氷の魔女は子供を脅かすおとぎ話ではない。ここでは十分に見聞きした。遥か南に辿り着いてから、最終報告を書き上げることにする。帰還の時だ。
短い内容ですが6が投稿されていました。以下、内容です。
南Freljord
私たちはついに故国への帰途についた。とても長い旅だった。Demaciaの国土をまた見られたら、とてもうれしいだろう。
私はJarvanに提出すべく、Freljordの緊張状態についての報告を書き始めた。この結果を見たら彼はとても驚くと思う。FreljordについてはDemaciaの思い込みが多分にあり、戦争の脅威はとても深刻だ。Asheは未来への強い構想を持っているが、Freljordの全ての部族が彼女の指導の下に団結する意志を持っているわけではない。荒々しく伝説的な力の持ち主であるSejuaniの下に走った者もいる。確たる証拠はないが、私はLissandraも考慮すべき第三勢力だと考える。Frostguardは得体の知れない排他的な集団で、何かしらの明確な意図を持っている。SejuaniもしくはLissandraによって統一されたFreljordは、Demaciaにとって──おそらくValoran全てにとっても──真の脅威となるだろう。
次に起こるのは、戦乱の幕開けを告げる事件だろう。私が学んだことを知ることで、私たちが見られていると言えるのは安全だと考えている。