2014年1月24日金曜日

和訳:ジャングル入門上級編その2:試合の流れを感じ取り、形作る


ジャングル入門上級編その2:試合の流れを感じ取り、形作る


「試合の進行状態」に基づいたある程度の方法で何かを行うことについて、耳にすることは多いのではないかと思う。今日の記事では、試合進行の様子を感じることと、その流れを好きなように動かすこと、両方を可能にするいくつかの方法について見ていこうと思う。


成功を掴み取る


異なるスキル構成を持つ、複数のチャンピオンを使えるようになっておくのは、良いことである。異なる試合のシナリオに順応するための柔軟性を得ることができるからだ。ほとんどのサモナーは、最低限1つのロールについては気持ちよくプレイできるチャンピオンを複数持っていることと思うが、敵のレーンがどのようにプッシュされるのかというのは、ほとんどのジャングラーが考えない要素のひとつだ。たとえば、midレーンのNasusのためにジャングルをしている場合を仮定してみよう。この場合、gankに秀でたジャングラーをピックするのは賢明な選択だ。なぜならば、Nasusはプッシュしづらく、逆に敵にレーンをプッシュされてしまうだろうから、素晴らしいgankの機会が浮上するだろうからだ。一方で、midがZiggsだった場合には、Ziggsはレーンをプッシュしがちなので、midへのgankは可能ならば程度に実現度が落ちてしまう。よって、ジャングラーのチョイスとしては、ファーム性能に秀でたチャンピオンがベターな選択となるだろう。

だが待て、考慮することはもっとある! レーンのことを考える時、片側についてのみ考えてはならない。両方について考えるべきだ。Ziggsの対面がMorganaやLuxなのであれば、同程度のプッシュ力がある相手だろう。チャンピオンセレクトの時、チームメイトに対し、どのレーンがプッシュされるのがベターなのかを教えるのは不可能だ。しかし、味方のZiggsに対して自分がgankに向かっているというpingを打ち、ZiggsがLuxにほんの少しプッシュさせてレーンを引いてくれたのであれば、自分がレーンに到着する頃には、戦闘を始めるのにちょうど良い按配になっていることだろう。たとえば対面の敵は非プッシャーではあるが、序盤に完璧に潰してしまう必要がある時……そういった敵としてはNasusが典型的な例となるが、味方レーナーがリコールし、レーンに戻ってきた時というのがチャンスとして残されている。味方レーナーがフェイクのリコールをしかけ、Nasusが少しプッシュするのを舞台袖で待つ……そしてレーナーと協働したgankを行ってもよい。もしくは、リコール後に味方がレーンに戻ってくるまでに10秒以上の時間をかけてもらい、プッシュさせる時間を与えるなど。彼がプッシュすべきでない時などは、ただリコールするだけでも、レーンをプッシュさせることができるだろう。彼がフリーファームできる時間を得た、と考える罠を仕掛けることで、即座に彼を痛い目に遭わせることができるのだ(自分がすぐに行動できるのであれば)。

オーケー、味方と敵のレーナーについては注意深く考えた。だがさらに、一歩踏み出してみよう。一歩踏み込んで、ジャングラーとレーナーの良いシナジーを生み出すレーンを、敵がデザインできるのだと仮定してみよう。たとえば、ViとLeBlancの組み合わせを見れば、ここにgankが来れば恐ろしいことになるとわかる。なぜなら、LeBlancはレーンを継続的にプッシュする能力に欠けるが、その代償に素晴らしいキル能力を備えており、さらにViはCCと機動性によって、キルの可能性をピンポイントで増すことができる。しかし……彼らは打ち負かすことのできない相手なのか? もちろん、それは違う。対面がしようとしていることを見て、感じ取れば、彼らに勝つための計画を練ることができる──この場合は、カウンターgankに強いジャングラーをもってすれば、成し得るだろう。カウンターgank性能の評価は少し難しいが、良いカウンターgankジャングラーとは、基本的に2つの長所を持っている。機動力と、1対1の戦闘能力の高さだ。Lee Sin、Yi、状況によってはKha'zixなどが良い候補だ。しかし思い出してほしい、全ては敵の組み合わせ次第なのだ。強いカウンターgankジャングラーとは、Shyvanaに対抗できるほど強くある必要はなく、AmumuですらNautilus相手にカウンターgankを決めることができる。これらの例は全て、エンゲージ開始時に全てのメンバーがヘルス全快であると仮定した時のものだが、実際に起こりうる状況と言えることはほとんどない。よって、意志決定を行う時は、実際の詳細な状況に対するマッチアップをより重く見ることが、重要である。


それは結局誰のバフ?


Midレーナーとジャングラーの間で、青バフを取るのはどちらなのかという対立が起こることは多い。そしてそこから、青バフは誰が持つべきなのかとういう疑問が生まれる。もちろん、Smiteをもってすれば、ジャングラーが青バフを確実に獲得するのは非常に簡単だ。だが、そうすべきなのだろうか? 一般的に、最初の青バフはジャングラーが獲得する。それは、ジャングル内のファーム1周目において、スキルを多用し、なるべくヘルスを温存したまま生き延びるため……経験値を獲得し序盤のレベル上昇を早く行うためである。しかしながら、2回目の青バフが湧く頃には、ある程度標準的な試合においてだが、青バフに頼らずともジャングルでのファームが可能になっているべきである。いくつかの理由からこれが当てはまらない場合は(たとえばジャングラーがMaokai)、青バフはジャングラーが持つのがベターだろう。ファーム量とgank回数の両方を多くするという点において、重要になるからだ。しかしながら、ジャングラーがきちんとファームでき、gankに十分なマナ量を保っていたとしすれば、青バフは無条件でレーナーが持つべきである。余分に使うことのできるマナにより、スキルをもっと多用できるからである。

片方のレーナーが青バフを持っていて、もう片方は持っていないという場合を想像してみよう。青バフを持っているレーナーは、スキルを多用してミニオンウェーブをプッシュすることができ、対面のレーナーに対してミニオンウェーブを処理するためのスキルの使用を強制したり、ミニオンウェーブをタワーに押しつけてファームを奪ったりすることができるだろう。タワーにファームを奪われてしまえば、青バフの持続時間中は1キルと同等のゴールドを失ってしまうことになる。青バフを持っている相手にスキルをたくさん撃ちこめば、マナが先に尽きるのは青バフを持っていない方であり、スキルを撃ち続けることができず、ファームとキルされるプレッシャーの両方において敗北してしまうだろう。これに加え、青バフを得たレーナーは経験値の面でじりじりとリードし、レベル上昇速度が速くなることから、レーンを屈伏させる術を容易に理解することとなるだろう。

つまり、ジャングラーは青バフをレーナーに譲ろうとするべきだが、自分が青バフに依存している場合は、仕事に必要な限りは青バフを取るべきだ。そして、青バフをもらうはずだったレーンに対し、その分の不利を解消できるような働きを心がけるとよい。レーナーがマナレスで、青バフを必要としなかった場合には、青バフの代わりに赤バフを譲ることを検討すると良いだろう。


タワーを順々に壊していく


やれ。特に言うことはない。ただやればいい。あるレーンのタワーを壊した時は、必要に応じてリコールしよう。敵の領域へと攻め入るためにミニオンウェーブを速やかに処理してプッシュしよう。そして他レーンへのプレッシャーを掛けはじめよう。この動きに敵が応じてこないのであれば、もっと多くのタレットを破壊することができるし(しかもフリーで)、さらに敵が応じてきたとしても、ゴールドのアドバンテージをもって集団戦に臨むことができる。そして、敵のミニオンウェーブを後退させてしまえば、さらなるゴールドのアドバンテージ獲得が待っている。これを順々に行うことでリードを取る機会を持っているのがジャングラーであり、それには必要に応じてドラゴンを取ることも含まれている。タレットを破壊したレーンに留まることが、不必要なリスクを招き寄せる理由については、こちらに詳しく書いている(リンク先は英語記事)


結論


ジャングル入門上級編で議論したように、何かが起こる前にそれを知る術を身につけることは、可能なことである。自分の思うように結果を変えるため、その知識を使おう。もちろん、100%の精度をもって予測を行うことは、人間に可能な範囲を越えている。しかし、自分が間違えた時のために、保険の計画を練っておくことはできる。敵が行動を起こす場所、負けてしまう過程、一番育っているチャンピオンを予測する癖をつけ、あらかじめ様々な方法を計画しておこう。一部のケースでは、普段選んでいるチャンピオンとは違うチャンピオンを選ぶということも必要で(必要ならチャンピオンプールを広げよう)、普段とは違うバフをレーナーにあげたり、普段とは違うgank/カウンターgank/カウンタージャングルなどもやっていこう。Leagueとは適応のゲームであり、ベストな適応を果たすためには、チェスのグランドマスターのように考え続けることだ──たくさんの動きを想定して進めよう。

このシリーズ記事は楽しんでもらえただろうか。もしこの記事から読みはじめたというのであれば、最初の記事から読むことをお勧めしたい。ジャングル入門初級編初級編その2中級編中級編その2上級編だ。


著者について



 不平不満を口に出すのではなく、学び続けることでSilver 4からPlatinumに到達した、サポートメインプレイヤー。続けていけばすぐDiamondになれると思っている。人に教えることが好きなので、Platinumに到達した時のことについて記事を書くことにしていて、できる時にはSilver対Platinumの試合をプレイしている。ひどくくだけた感じの人間なので、どう思ってくれてもかまわないし、何でも聞いてほしいな。


原文
Cloth5 | Jungling 302: Sensing and Shaping the Flow of the Game by BlueNoseReindeer

※この翻訳記事は、Cloth5.comさまの許諾のもとに翻訳しています。
※この翻訳記事の無断転載は原著の著作権侵害になりますので、お断りしております。